久々にまたmobile suiteの話に戻ります。発売から1ヶ月以上経ちまして、いろいろ反応もいただき、ありがとうございます。そして、反応を頂いたことにより、このCDが何なのかだいぶわかってきました。わかってきたことの一つに、「世の中にこの音楽を好きだと言ってくれる人はいる!」ということです。音楽的な快感が全くないわけではないと思って作ってはいますが、さすがにミスター・チルドレンやジェームス・ブラウン、エンヤのような音楽的な快感や聴き応えは無いのはわかってます。でもまぁ、音楽として楽しんでくれる人がいるのは、作った甲斐があったと思います。
もうひとつわかったことは、この音楽って結構カンタベリーなんだな・・・と。もちろん、もともとカンタベリー好きだし、カンタベリーの影響は無いとは言えない、というか、あるんですが、作ってから数年経つと、カンタベリーの感覚が無くなってました。たぶん、適度な複雑さやパッとしないメロディ、変なハーモニーなんかはハットフィールズ、デイブ・スチュワート、そして、ソフト・マシーンの影響が大きいんだろうなぁ、と思いました。そもそも、MACHINE AND THE SYNERGETIC NUTSもカンタベリーの影響がでかい・・・というか、影響を受けてるつもりは無いんだけど、とにかく私がソフト・マシーン好きだし、ノリヤ(MSNのキーボード)がハットフィールズとか好きだったから、まぁ、マハビシュヌやウェザーやディープ・パープルやレッド・ゼッペリン、ビリー・ジョエルなんかの影響を受けててもカンタベリー色は出てしまうわけですね。というわけで、mobile suiteも、知らない人に言うなら、「そこそこカンタベリー」です。いわゆるカンタベリー色の歪んだオルガン・・・ってのは、ほとんど使ってませんが。
さて、結局沢山の友達がCDを買ってくれてる・・・みんなに救われてるCDですが、なんと雑誌にもいくつかレビューが載ったようです!いくつか・・・といっても知ってるのは、ミュージック・マガジンとCDジャーナル。そして、実はライターの方々もほとんど知り合い・・・という長く生きてると、こういうことになるのか・・・という大人の世界です。あ、でも広告とかでレビューが載る・・・みたいな大人の世界って意味では無いです。もちろん広告とか無いしw
さて、転載していいのかどうか知りませんが、勝手に図書館行って写メ(死語?)撮ってきました。
いい感じに画像が荒くて、読めないくらいの感じですが、こちらはCDジャーナル4月号、松山晋也さんのコーナーで紹介していただきました。たぶん、これが一番でかく雑誌に載ったものでしょう。「乱暴に言えばプログレ・フュージョンなのだが・・・」という感じで、とても良く書いて頂いてます。ありがとうございます。
さて、このmobile suite関連のブログ恒例の楽譜コーナーです。
mobileSuite-6 – Parts.pdf
2ページになってしまい、字も小さいので無駄にPDFもアップします。さて、実はmobile suite、本格的に面白くなってくるのは、この6〜10くらいです。5まではわりと試行錯誤、6〜10くらいはノッている感じ、11以降はわけがわからない感じになってます。そんなわけで、最初のコンセプトのとおり、脈絡のない音楽を作れてるという意味では、この6の前半(楽譜でいうところの[A]、つまり最初の5段だけ)は、かなり意図のとおりです。まずコード進行見ても、むちゃくちゃです。メジャーセブンの移動ばかりで、ほんと脈絡なくm7や7thのコードになります。転調がメインの曲のようでありながら、そうでもない、なんせ、流れを考えずにつくってるから、これこそメチャクチャ!だとおもいます。そしてメロディに関しても、呼吸も何もあったものじゃない、適当な羅列具合と転調の意味も何もない、ただ音を追いかけるだけのメロディ。これを覚えて演奏するのは全く楽しくないと思う!出来た時の達成感(クソゲーだけど、買っちゃったからクリアする・・・みたいな感じなのかな?)しか無いと思う。
さて、それに比べて超シンプルな[B]ですが、これは何でしょうね?法則性でなりたたせてる音楽ですね。ピアノで言うと右手が4和音の移調の3パターンの繰り返し。それに対して、左手は下降ラインでコードを作っていく、ということですね。オクターブ下がっていくうちにスケールが変わりますね。なぜそれで成り立つのか、私もよくわかりません。これが音楽の面白さでしょう。なので、単純な演奏なのに繰り返し記号が使えません。フルに30小節強書いてあります。
あ、あともう一つ思い出したこと。この曲の[A]は基本的に4/4で作ってました。なので、ホントめちゃくちゃだったんだけど、楽譜にするときに、わかりやすい拍子に区切ってみました。こちらが4/4の楽譜。
mobileSuite-6-1 – Full Score.pdf
変拍子が苦手!って人は、こっちの楽譜を見てね。
つづきはこちら
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