mobile suite の話 vol.4

前回に続いて、アルバム収録曲楽譜で公開!のその前に、今度は2曲目なのですが、2曲目の前にちょっとだけつまらない音楽の話を書きます。世の中には下降するベースラインの曲が結構ありますね。ちょっと例をあげます。
bass - Full Score.jpg
こんなやつです。曲で例をあげるのではなく、コード進行の例えでした。一番上はベースがドシラソファミレ・・・と下がってくよくあるパターンです。レの次にドに行かないのは、説明するのがとても難しいので、とりあえずソにしておきます。二段目はいわゆるクリシェってやつの一番ポピュラーな例で、一番下の音だけ半音づつ下がっていきますが、大抵4つ目のコードからはこんなかんじになります。参考に3個めが上がっていくクリシェです。4つ目は、とりあえず保留。この手のコード進行っていうのは、とても綺麗な進行なので人に好まれます。関係ないけど、若いミュージシャンが「いいコード進行見つけた!」っていってるやつの大部分が、このコード進行のキーを変えただけのものだったりします。言い方を変えれば、使い古されてしまってるコード進行とも言えるわけです。ちなみにクリシェとは、wikiによると「乱用の結果、意図された力・目新しさが失われた句(常套句、決まり文句)・表現・概念」ということです。
さて、前置きは以上で、アルバム2曲目の楽譜です!
mobile_suite2 2 - Full Score.jpg
今回は頑張って上と下、2段の楽譜になっております!今回のこの曲は、いわゆる下降するベースラインの中で、別のコードをつけてみよう、という実験から生まれた曲です(そうだったと思います)。この曲はなんともわかりやすいことにCからベースが半音づつ下がっていきます。普通にコードをつけたら、先に上げたクリシェになるのですが、とりあえずクリシェを避けるのが音楽を作る楽しみだと思ってたので、こういう曲が出来ました。もちろんクリシェでいい曲は沢山あるし、クリシェでいい曲を作れば人に好まれます。クリシェの曲はレトルト・カレーと一緒で、サービスエリアやスキー場でとても人気があります。(最近音楽を料理に例えることばかり考えてるのですが、その話はまたいつか。)

今回も機械でコードをつけたんですが、また最初のコードは面白いと思います。
最初のコード、これはG♭のディミニッシュのルートがCということになってますが、まぁ、これもそういうつもりはありません。ちなみに、ディミニッシュとなるのは、3つの和音の距離が短三度で構成されてるのでそうなるのですが、仮にディミニッシュとした場合、4つ目の音はE♭になります。ここでは3つしか音がなってないので4つ目は無いのですが、私の中ではE♭は有りえません。あるとしたら♮のEかD。Dだと、D/Cのコードですが、どちらかというとその方が近いです。ちなみに、EにするとジェネシスのSUPPER’S READYの始まりと構成音が一緒になりますね。A,C,E,F#、この響き大好きです(コードでAm6(ジェネシスの話です))。

でもまぁ、コードって4和音で考えたくなるけど、あえて3和音で曖昧な響きにするのはいいですよね。たぶんディミニッシュに聴こえないと思うし。そして、2コード目からはわりと普通のコードですが、とりあえず半音づつ降りて行き、12個の半音全部行くと見せかけて、実際は2つ飛ばして10個で繰り返すことにしてみました、っていうのがこの曲です。ちなみに、[A]を繰り返した後[B]になるのですが、こっちはこっちで同じベースラインに違うコードをのせてみたっていう感じです。この「ベーシストは何も考えず同じことだけ弾いてればいい」っていう傾向は私の曲にはよくあるようです。
以上、この曲のコードの話でしたが、この曲(の前半)はこのアルバムの中、唯一メロディに落ち着きがあります。なので馴染みやすい曲かと思いますが、馴染みやすくても特に意味が無いのがこの音楽。

あ、書き忘れてましたが、最初のコード進行の例えの4つめ、あれは上がるクリシェと下降するベースラインの組み合わせです。こういうコード進行の曲も世の中に結構あると思いますが、これくらい工夫をしてるといいと思いますね。

つづきはこちら

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