音感の話

ここ数日自分で試しててわかったことがありました。といってもとても個人的なことなので、興味がある人以外にはなんの面白みもない話です。それはだいたい絶対音感と相対音感の話なのですが、一般的に言われてるこの言葉の意味ってものを私はまじめに受け取ってないというか、自分なりの解釈をしてるので、私の言うことを正しいと理解しないで下さい。
まず、絶対音感ですが、これは音程の高い低いを一般的なチューニングされた音階に当てはめて聴き取るということで、たとえば、ヤカンの笛の音がB♭で鳴ってるとか、この曲はギターが半音下げチューニングだ・・・とかそういうことがわかるわけです。しかし、まぁ世の説明によると、ドアを叩く音や、鳥の鳴き声とか、全部音程に聴こえるという人がいるようですが、私はそんなことありません。そして、世の中になってる音は、あたかも全部音程があるように思われてるかもしれませんが、私が思うにそんなことありません。まず、音程が時間軸でそこそこの早さで変われば、それは音程で説明できません。あと、音というのはだいたい倍音があるので、倍音が整っている音以外は綺麗に音程に聴こえないと思います。というわけで、何でも音程に聴こえるという超常現象みたいな話は置いておいて、とりあえず、普通の音階として、ドはド、ソはソ、ミはミに聴こえるってレベルを絶対音感と私は考えてます。

さて、それに対して相対音感、こちらは意味的には相対だから2つ(以上)の音のどちらかの高低がわかる、ってレベルから、12音階に当てはめた時の関係性までわかる、という意味で使ってると思います。後者の意味がほとんどですが、簡単に言い換えると、いわゆる「移動ド」で旋律や音楽を把握することを相対音感という、と私は考えてます。つまり、GEGF#Gってフレーズが、ソミソファのシャープソって聴こえるのが絶対音感に対して、ファレファミファに聴こえたりドラドシドに聴こえたりするのが相対音感・・・っていう感じです。
実際この2つは相反してるわけではなく、私もどっちもそこそこ感覚としてはあります。例えば、さっきの例のGEGF#Gっていうフレーズは私の場合、だいたいそのまんま(ソミソファのシャープソ)って聴こえるんだけど、流れによってはファレファミファって聴こえたりするわけです。たとえばCのキーなら前者で、Dのキーなら後者で聴こえたりするわけです。で、なかなかドラドシドには聴こえないっていうのがあって、それは絶対音とかけ離れてると相対的でも判断しにくくなるわけです。さて、こういう感覚って人それぞれで、全然共有できないものかもしれないんだれど、どうなんでしょうねぇ?

こんなことを最近考えてるのは、ヤマジさんがツイッターでも言ってましたが、大江慎也さんのバンドで、なんと全曲1カポ指令が!ところで、このバンド、告知で私キーボードでしたが、結局ベース弾くことになりました。で、キーボードで演奏しようとしてた時に、1カポってとても難しくて、いろいろ考えてたのですが、つまり、Dの曲がE♭になってしまう訳です。さて、キーボードでキーが変わると音程が変わるという問題よりもっと大きな問題が出てきます。それは、手癖が変わるんです。ギターやベースは半音変わってところで手癖が変わったりはほとんどしませんが、鍵盤はDの曲とE♭の曲だと全然弾き方が変わってしまう・・・そんなに的はずれでない例えをだすと、Dだとロックっぽく弾けるのがE♭だとジャズっぽくなってしまう。Dのコードにバリエーションをつけるとsus4やsus2(add9)、7thが弾きやすいけど、E♭だと、まず癖で7thがメジャー7になってしまったりする。そんなわけで、ここで登場したのがトランスポーズ!鍵盤を移調してくれる機能です。これで、E♭の曲もDの指使いで(Dの位置で)弾ける!ただここで問題が出てくるわけです。先に絶対音感の話。自分はDの鍵盤を押してるのに音がE♭が出てくるのは、果てしなく気持ち悪い・・・頭のなかでソを弾こうと思って、ソの鍵盤を弾いたらA♭がなってしまう・・・そういう問題があるので、実は私は昔からトランスポーズをして弾くのが苦手(生理的にね)でした。でも、このあいだやってみたら「あれ?問題なく弾ける」。何故でしょうか?長年ベースを弾き続けたから?それとも絶対音感って歳とおもに衰退していくものなの?とか、考えたのですが、おそらくいちばんの要因は「譜面を見ながら弾いてる」からでした。なんででしょうか?譜面を追っかけてると、今弾いてる音が実音じゃなくて譜面の音に聴こえてくる!耳より目の情報が勝つってことかね。ヒジを指さしながら「ヒザをさわって」って言われたらついついヒジをさわってしまうようなものでしょうか。
とにかく、問題解決!トランスポーズされた鍵盤でも楽譜を追ってれば、気持ち悪くない!ちなみに、半音だから大丈夫なのかどうか、試してみたんだけど、まぁ、半音、全音、くらいなら大丈夫。でも4度5度くらい離れてると、さすがに違和感が結構ある・・・けど弾ける!凄いな楽譜!って思いました。

さてさて、そうこうしてるうちに、全曲半音上げが、急にベースでやることになりました。で、いままでのトランスポーズの流れは・・・まぁ、なかったことになり、今度はベースで半音上げをどう対処するか?ギタリストは基本カポタストをするので、私も習ってカポをしてみたんですが、メチャメチャ違和感!まず、ナットが近づいたようで急にミディアムスケールかショートスケールか、まぁ、なんかちっちゃいベースを弾いてる感が出てくる。そしてポジション・マークをずらして弾く・・・うーん、まったく慣れない。間違えなく弾くことは出来るかもしれないけど、思うように弾けない・・・さて、次は譜面を全部書き直すという案ですが、これはこれで、それこそ、ロックはギターやベースの開放弦あっての音楽だから、E♭やA♭のキーでロックなんて出来やしない。(これなかなかロックの本質だと思うけど、わからない人いるんだろうなぁ・・・)。
そこで考えた手が!半音下げチューニングで2カポ!・・・て、いいアイディアだと思うんだけど、ハッキリ言って2度手間感がある。なので、結論、半音上げチューニングにしました。まぁ、弾けるし、楽譜を追って演奏してればキーが半音ずれてても問題なく弾ける。ただ、一曲、Eのブルースを楽譜なしで演奏(楽譜作る意味なんて無いでしょ?)してたら、これが問題に!譜面を追ってない私は感覚で演奏してるので、だんだん普通にFのブルースに聴こえ始め、そうなるとベースでフレーズを入れようとした時に思わずFのポジションでのフレーズを弾きそうになる(いや、実際間違えて弾いてたかも)。そう、結論としてEのブルースも譜面を書けばいい、そういうことだと思うので、次回のリハで試してみます。
音感の話とかけ離れた話になってるかも。タイトルは、曲のキーを半音上げる時どうする?ってタイトルに変えたほうがいいかもね。

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