mobile suite の話 vol.6

無駄に曲の楽譜をアップするシリーズ、これで4曲目になります。アルバム4曲目の楽譜です。
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楽譜作ると、自分で楽しいですね。あまり考えてなかったけど、こうなってたのか・・・とかわかるしね。音楽やってる人は皆楽譜作ってみたほうがいいですよ。自分でどうなってるのかわかるし、何が面白いのか、何がつまらないのかわかるし。例えばコード進行だけ書いてある楽譜(コード譜、マスターリズム譜)を書くだけでも、気づかないうちに同じコード進行の曲しか作ってない・・・とか、あるかもしれないし、実際ありそうだね。あの、よく歌詞カードにコードだけ書く人、いますよね。あれはあれでいいんだけど、小節に分けて書いてみると、どこがどうなってるのかわかって面白いと思いますよ。

さて、4曲目、このへんになってくると、もう作り方も変わってきますね。この曲は基本的に前の小節を聞いて次の小節を作るというこのアルバムの基本アイディアはメロディにしか反映されてません。というか、コードは普通に進行してます。つまり、先が決められた作曲というか、[A]も同じコード進行を3回繰り返してるという感じです。でもまぁ、このコード進行、コード進行と言うのだろうか?たぶん、元はコルトレーン・チェンジズという長三度で循環させる進行(コルトレーン・チェンジズにはII-Vが含まれるので複雑ですが)のパロディ的に短三度で循環させてみたんでしょう。とにかく音階の12という数は約数が多くて、1,2,3,4,6,12で割れる。と、まぁ、[A]のコード進行はそれくらい幼稚な考え方ですね。

さて、更にひどいのが[B]のコード進行。これはいわゆるアーメン(アーメン・ケイデンス IV-I)という流れの連続で12音全部使ってしまおうという考え。アーメンという動きは5個下の音に移動するので、12は5で割れないので、もとに戻るまで12回移動しなければならない。そんなわけで12個のコード進行になるわけです。ハッキリ言って演奏するのが面倒くさいので、世の中にはあまり無いタイプのコード進行かと思います。この曲は[A][B]のコード進行で成り立ってるので、いわゆる一般的なキーという概念を自分では持っていません。普通に考えると最初のコード、[A]の場合はG、[B]の場合はA?(でもこれはすぐにEに解決するように聴こえるんだけど・・・)かもしれないけど、もちろんそのスケールでずっと演奏できたりしません。よく曲に合わせて弾こうとして「この曲キー何?Am?じゃ、Aのペンタトニックで!」とか言ってセッションする感じを防ぎたくて作った曲です。簡単なのに、簡単にはセッション出来ない曲。演奏がうまい人はこの曲でセッションしてください。

コード進行の話はこれで終わりにして、譜面を作ってみたことでわかったことを紹介します。まず、譜面を作る前からわかってることですが、この曲の[A]は9/8の拍子です。私のこのアルバムでは珍しく変拍子です。あ、1曲目の[B]が既に7/8だった・・・。変拍子って定義がよくわからない上に、変拍子を使うことによってプログレと定義できるような出来ないような・・・というややこしい存在ですね。ちなみに9/8は3/8を3つと数えると複合拍子と呼ぶようですね。この曲の場合は8+1っぽいので変拍子です。さて、この拍子に関して、9/8みたいな半端な拍子にしておくと、楽譜にしてみて気づいたのですが、シンコペーションが面白い。そもそも、どこからがシンコペーションなのかがとても曖昧になる。ちなみにシンコペーションをメチャクチャ簡単に説明すると、例えば4分音符を演奏してる時に、その裏の8分音符を演奏、そして更にその次の表の4分音符を演奏しない(または前の音を伸ばしてる)ことをシンコペーションといいます(あってるかな?)。

この曲の[A]の中で一番多く使われてる譜割りは8分音符3つ、4分音符2つ、8分音符2つ、というものですが、これで言う真ん中の4分音符2つはシンコペーションになってるわけです。その前の8分音符が奇数なので、4分音符は裏から始まります。でも、普通はその後に裏の部分を帳尻合わせる8分音符1つ(奇数)が入ることによって、今までの4分音符は裏だったという感覚になるのですが、この曲の場合9/8のため、4分音符のあとの8分音符が2つで偶数です。つまり4分音符から聴き始めると、全くシンコペーションしない、「タンタンタタ」なので、3/8+3/4で聴くと、シンコペーションしない譜割りになりますね。長い説明の割には「説明下手・・・」と思ってますので、この話題はこれで終わります。

もうひとつ、譜面にして気づいたこと。[B]ってこれ譜面無いじゃん。これってこのアルバム内唯一のソロ?[ソロ]と[ソロじゃない]の境界線も曖昧ですが・・・このソロはアドリブで弾いたけど、すぐに整理してもう一度全部弾きなおしてます。つまり、音源自体はアドリブでは全く無いです。さて、アドリブでないものはソロじゃないのか?そんなことは無いですよね。普通は歌などに対して、楽器をフィーチャーしてある程度の長さ演奏するのがソロかと思います。でも、私のこのアルバムは、歌がなく、楽器で覚えづらい旋律を演奏してる音楽なので、[ソロ]と[ソロじゃない]の境界線は、つまり、同じもフレーズを繰り返す(ソロじゃない)か繰り返さない(ソロ)ってことでしょうか? っていうか、聞かれたって、知らないよね・・・

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