音程の度数とRUSH "YYZ"

人と音楽を演奏するときに、音についての共通の概念が無くては話がしづらいので、普通の楽典というものを使いますよね。「ここ、俺こんな音を出してるから、君もこんな音出して」ではなく、「ここはA7のコードを弾いてるので、フレーズはソラソラソーって弾いて」みたいな感じで。音程だけに限って話をすると、音程っていうのは音がどの周期で揺れてるかっていうのを言います。で、ある基準からその倍の振動をオクターブ(上)といい、その間を同じ比率で12に分けたのが12平均律です。普段の音楽はその音階を使ってるので、12音の音階を使います。って、理屈っぽい話ですが、普段使用する音程ってのはそういう理屈です。
で、音程を人と会話でするときに、大きく分けて2つの方法があります。一つはわかりやすい、絶対音ってやつです。ドとかレとかミとか、F#とかG#とかB♭って奴です。これは大体、指してる音程が絶対的に決まってるってことです。Cと言われたらCの音!みたいな。そしてもう一つの方法が相対音ってやつで、これは、ある音程(絶対的な音程としますが)に対しての度数というので表します。例えば、Aの音を弾いてる時に、4度と5度を足して、と言ったら、AにDとEを足します。よくコード(和音)の構成音を示すときに使います。
うーーん、話したい話に話を持っていきますが、度数というのはダイアトニック・スケール(全音階)、たとえばドレミファソラシドのとき、ドから数えて、レが2度、ミが3度、ファが4度という仕組みです。で、ややこしいことに短調の時はミが♭するので、短三度、長調の時はミなので、長三度とか言います。これの仕組みは簡単ではないのですが・・・
で、話したい話は・・・ドから数えた時のファのシャープ、ソのフラット、これらは同じ音ですが、前者の数え方だと増4度、後者だと減5度といいます。で、どっちで言うべきかなかなか難しいです。ちなみにコードで言う時はフラット・ファイブということが多いですが。音程というか度数で言う時には便利な言葉にトライトーンというのがあります。なので、私はトライトーンという言葉を使うことがよくあります。
さて、ここからが本当に話したかった話!昔ジム・オルークがまだ日本語を喋れなかったころ、ジムが来日してライブをやるときに一度バックで演奏させてもらったことがあります。たしかその時、ジムが他のメンバーにトライトーンという言葉を説明するときに、RUSHのYYZの音程という説明をしてました!その時結構驚いたんだけど、まず、「あのジム・オルークがRUSHを聴いてるのか!」という驚きと、「RUSHのYYZって説明でいいのか!?」って驚きです。確かにYYZはイントロからベースとギターが執拗にトライトーンだけ演奏してます・・・
それからというもの、私はジムと会って一緒に演奏する機会があるたびにYYZのリフを演奏するという楽しみができました。元々私もうろ覚えだった曲ですが、なんかやってくうちに、少しづつ覚えていきました。そして、2年ほど前からドラムの山本達久くんも一緒に演奏してるのですが、あるとき達久くんが「もう完璧にコピーしましたよ!」って!え!俺も少しはコピーしよう!と思い、その後コピーを始めました。まぁ、結局難しくてコピーできてないし、弾けないのですが・・・
そして、ついに、4月26日の石橋英子 with もう死んだ人たちのリハーサル中に、いつものようにYYZが始まったのですが・・・初めて曲が最後までいったのです!!!
そして、事件はその次の日の石橋英子 with もう死んだ人たちのライブ!ありがたいことにダブルアンコールを頂いたけど、もう演る曲が無い・・・で、石橋さんがソロで演奏するのがいいだろうという話で、ステージに上がっていったんですが、ちょっと喋ったあと何故かメンバーを呼んでいる!とりあえずみんなでステージに上がってみたら・・・YYZを演奏するという話に!ハッキリ言って高校生のちゃんと出来てないコピーバンドみたいなものなのに・・・w
なのに演奏してしまいました。なんかお客さんにも楽しんでもらえたようで・・・w
そんなわけでみなさんもYYZを聴いてください。

これでトライトーンの説明ができるようになります。

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